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あなたのトラクターは大丈夫ですか?〜冬期間(寒冷時)のトラクターの使い方をアドバイス〜

あなたのトラクターは大丈夫ですか?〜冬期間(寒冷時)のトラクターの使い方をアドバイス〜
冬期間や寒冷時にトラクターを使っていて、「セルモーターの回りが遅い」、「燃料が凍った、エンジンが止まった」という経験はありませんか? 冬期間の「トラクター始動方法」と「格納方法」について考えてみましょう。
故障を未然に防ぐ点検ポイントとテクニックをご紹介します。

◆セルモーターの回りが遅い時は?

バッテリー

寒冷時のエンジン始動にはバッテリーの状態が重要です。
A、充電はしっかりされているか?
B、バッテリー液は入っているか?
C、ターミナル部分の腐食はないか?
D、バッテリーの外観に汚れ・割れなどがないか?
などを点検してみましょう。


バッテリーの比重が低い場合は、換気に気をつけて充電してください。 充電中は火気やタバコなどを近づけないように注意しましょう。
また、バッテリーは消耗品ですから、何度充電しても比重が上がらなければ、交換が必要です。 取り外すときは、(−)ターミナルを先に、その後(+)ターミナルを取り外します。取り付けるときは反対に、最初に(+)側を、その後(−)側を取り付けます。
●ジャンプスタートをする時の注意点 (図1@ABC参照)

ニューホランドトラクターの場合、バッテリーと並列(+は+、−は−)に取り付けてください。 ジャンプコードを取り付ける時は、先に(+)側を取り付け、その後(−)側を取り付けます。
取り外す時は、(−)側を先に外し、その後(+)側を取り外します。 一部のトラクターにはジャンプスタート用の端子が付いているモデルがあります。
ジャンプスタートをする時
エンジンオイル

エンジンオイルは外気温に合った粘度のものを使用しましょう。高粘度(15W-40など)を冬期間に使用すると、 オイルが固くなり、エンジンスタート時の抵抗が大きくなります。 その結果、セルモーターの回りが遅くなり、エンジン始動が難しくなるわけです。冬用オイル5W-20の使用をお勧めします。

冬用オイル5W-20
冬用オイル5W-20

◆燃料が凍った時は?

燃料凍結の原因は、潤滑成分として含まれているパラフィン分が凍ってしまう事によるものです。 寒冷時には成分が白くなり、各部(タンク、エレメントなど)に沈殿して、軽油の流れを止めてしまうため、エンジンがかからなかったり、 止まってしまうわけです。
軽油と灯油を混ぜて寒冷時に使用している例を見かけますが、良い方法とは言えません。 灯油には潤滑成分が含まれていないため、噴射ポンプやノズルにダメージを与える可能性があります。 燃料タンクに冬用軽油を満タンにし、しばらくエンジンをかけておき、燃料ラインに充分行きわたらせておく事が必要です。
次の個所を定期的に点検しましょう。

・燃料エレメントのつまり
 (交換時期の目安は1年)

・ウォーターセパレーターの清掃
 (図2@AB、図3@AB参照)

・燃料タンクの水抜き
 (燃料ライン内での凍結を防止)

燃料エレメント
燃料エレメント
(左:汚れた物、右:新品)
ウォーターセパレーター
図2
ウォーターセパレーター
図3
ウォーターセパレーターの清掃














フィルターヘッドのエア抜きスクリュー(図2-@)をゆるめます。
排出プラグBが回せるように、センサー配線Aを外します。
ノブBをゆるめ、フィルターの排出プラグを開けます。燃料を排出します。燃料は適切な容器で受け、正しい方法で処理します。
ボール/リング(図3-A)を回してゆるめ、沈殿物セパレーターから外します。
保持リング@を緩めて、フィルターBを外します。フィルターは正しい方法で廃棄します。
フィルターヘッドに、新しいシーリングリング@を取り付けます。次に新しいフィルターを取り付け、ボール/リングアッセンブリーを取り付けます。

◆寒冷時のエンジン始動方法は?

サーモスタットヒーターを作動 A、ハンドスロットルを半開きにします。
B、サーモスタートヒーターを作動させます。
  (グロープラグは20〜30秒。それ以上続けると切れる可能性があります)
C、スターターモーターを作動します(60秒以内)。
もしエンジンがかからなければ、少し時間をおいて再びA〜Bの操作を繰り返します。
それでもエンジンの始動が悪い場合は、クーラントヒーター(オプション)の取り付けをお勧めします。
エンジン、冷却装置、油圧装置などが破損する恐れがありますから、エンジン始動後はすぐに作業を行わず、必ず暖気運転を行ってください。 また、降雪時にボンネットグリルなどに雪が付くと、エンジン性能に大きな影響を与える事があります。注意してください。
「ローダーケーブルなどが凍って動かない」というトラブルがよくありますが、グリーススプレーや潤滑スプレーを定期的に使うことで防止できます。
●「キャブ内のヒーターが効かない」時は
・クーラントは規定量入っているか
・エンジンにあるヒーターコックが閉じていないか(図4@参照)を点検してみてください。
ヒーターコックの確認
図4

◆格納する場合の注意点は?

次の作業をしてからトラクターを格納しょう。
A、
B、
C、
D、
E、
F、
G、
H、

I、
トラクターを清掃します。
故障個所がないか点検し、春先のスムーズな作業に備えます。
燃料タンクに燃料を補給し、タンク内のサビ防止や温度差による水滴発生を防ぎます。
クーラント濃度を点検します(濃度が低いと凍結してラジエターやエンジンの破損につながります)。
各グリスアップを行います(フロントアクスル回りも忘れずに)。
油圧リフトアームを最大まで上げ内部リフトシリンダーのサビを防ぎます。
各油圧シリンダーのメッキ部分にワセリン(グリーススプレーなど)を塗り、サビを防止します。
バッテリーを取り外し、暖かい場所に保管して定期的に充電するか、2週間に1度15〜20分間エンジンを1500回転で作動させ、バッテリーの放電を防止しましょう。
トラクターをジャッキアップしアクスルの下にスタンドを置き、タイヤに負荷がかからないようにします。

クーラント濃度を点検
クーラント濃度を点検する
小さなことでもそのままにしていると、大きなトラブルになったり、春先にトラクターが使えないことにもなりかねません。 早めに調整・修理することで、メンテナンス費用が軽減され、修理時間が短縮されます。
1年に1度は定期点検や格納整備を受けましょう。
どうぞお近くの日本ニューホランド営業所へお気軽にご相談ください。サービスマンがあなたのトラクターを診断し、末永くお使い頂けるようお手伝いいたします。

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